不動産の購入を考えた時に心配になるのが、購入後に何かしらの隠れた欠陥(瑕疵)があったらどうしようかということです。
もしかしたら欠陥が隠されているかも、とか考えてしまうのも、大きな買い物なので仕方ありません。
さて、それを防ぐのに瑕疵担保責任があります。
今回は、不動産を購入する際の瑕疵担保責任についてまとめてみました。
瑕疵担保責任とは
まず瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、欠陥のあるものを売ってしまった際に負うことになる責任のことです。
新築の建売住宅を買ったとして、そこに隠れた欠陥を発見した場合、既に購入した後だから売主に責任はなく、購入者の責任になったら困りますよね。
そんな隅々まで購入者が調べるなんてできません
そこで、瑕疵担保責任があることで、買主が守られることになります。
欠陥が見つかった場合、売主が知らなかったとしても、売主が責任を持って修繕などしなくてはいけません。
瑕疵担保責任から、契約不適合責任へ
さて、ここまで瑕疵担保責任について説明してきましたが、2020年の民法の改正により、瑕疵担保責任という言葉は、契約不適合責任という名称に変わっています。
これは、住宅の取引だけではなく、広く売買において適用されるもので、ここで言う契約不適合とは「種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないもの」ということになります。
変更点などは法務省民事局のこちらの資料から確認できます。
https://www.moj.go.jp/content/001259612.pdf
ただ、売主の責任を問うという実質的な内容に大きな変更な無いとされています。
国民生活センターの瑕疵担保責任の説明に全て載っています。
https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202004_11.pdf
この国民生活センターの記事読めば、このブログ読まなくていいかも・・・
瑕疵担保責任と契約不適合責任という言葉
ここで、瑕疵担保責任という言葉が2023年現在も使われていることに違和感を覚える方もいるかもしれません。
法律では、瑕疵担保責任から、契約不適合責任へと読み替えるとされています。
しかし、「住宅瑕疵担保履行法」という名前や、その制度を紹介している国交省の住宅瑕疵担保制度ポータルサイトというHPでも、瑕疵担保という言葉が使われています。
ややこしい・・・
専門家の間でも、こんなことが前から言われているようですね。
瑕疵か契約不適合か 品確法は、改正民法に用語を合わせるべきである
これは2018年の記事ですが、2023年になっても、変わってないような・・・。
と言うよりも、変える気がないのかもしれませんね。
瑕疵担保責任保険
瑕疵担保責任保険というものもあります。
これは、売主にメリットがあるもののようです。
買主が購入後に瑕疵が見つかった場合、それを売主が修繕などしないといけませんが、この保険に入っていれば、そこを保証してくれるというものです。
瑕疵担保責任保険では、主に3つの取り扱いがあります。
- 新築住宅の売買用 義務
- リフォーム工事用 任意
- 中古住宅の売買用 任意
新築で購入する場合は、瑕疵担保責任保険に入ることが義務づけられていまして、10年保証してくれます。
新築購入時の瑕疵担保責任保険については、こちらも分かりやすいです。
中古住宅の売買では、任意なので瑕疵担保責任保険に入っていない中古住宅が多いようです。
ただ、この保険のメリットとしては、もし、瑕疵担保責任保険がある中古住宅の場合、買主も安心して購入できますので、高額な物件では検討してみてもいいかもしれませんね。
費用も、一般的な大きさの住宅なら、検査+保証で10万円弱で、5年の保証とかをしてくれるようです。
ホームインスペクションの斡旋を義務化したことに伴い、それとセットで保険にも加入できるという仕組みのようです。
しかし、
中古住宅での瑕疵担保責任保険の加入は難しいようで、検査の結果、不適合となり加入できない物件が多いようです。
https://www.anest.net/study/kashihoken202303/
不動産の契約書に記載される瑕疵担保責任の例
最後に、不動産の契約書に記載される瑕疵担保責任の例としては、以下のような内容が多いようです。
例)売主は、買主に対し、引渡された土地及び建物が品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、引渡完了日から3ヶ月以内に通知を受けたものに限り、契約不適合の責任を負う。ただし、次の場合のみ責任を負う。 ・雨水の浸入を防止する部分の雨漏り ・建物の構造耐力上主要な部分の腐食 ・シロアリの害 ・給排水管や排水桝の故障
ただ、築20年以上など、古い物件になるにつれて、契約不適合責任免責という特約を付けられることもあるそうな・・・。
この場合、購入後に何があっても買主の責任になってしまいます。
古い住宅では、これもしょうがないのか。
まとめ
今回は中古住宅を購入するにあたり、初めて見聞きするかもしれない「瑕疵担保責任」について書いてみました。
私も調べながら、自分が購入する時は、どのようにしようかと考えさせられました。
不動産の購入を検討している皆様にとっても、何か参考になれば幸いです。
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