今回の記事を書く少し前に、三浦春馬さんの自殺が報道されました。
その際に、ツイッターで流れてきた、PCOPというものを知り、眺めてみたのがきっかけで、この記事を書くに至りました。
とりわけ、若い人に読んでもらいたいです。
その理由は、次の通りです。
自殺の要因とは
自殺の要因と言っても、色々な要因で自殺に至ると思います。
そこで、警視庁の『生活安全の確保に関する統計等』を見てみると、日本で自殺された方の、自殺の原因・動機が分かります。
ただし、注意書きにもあるように、
・自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きている。
また、
・遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を自殺者一人につき3つまで計上可能としている。め、原因・動機特定者の原因・動機別の和と原因・動機特定者数(平成30年は15,551人、令和元年は14,922人)とは一致しない。
とのことで、下の表は自殺の要因を考える際の参考程度と思っていただければと思います。

また、厚労省の『人口動態統計』では、年齢階級別にみた主な死因の構成割合が分かります。
ここが、先に挙げた若い人に読んでもらいたい理由です。

グラフから、特に10代後半から20代30代と、死因の第一位は自殺だということが分かります…。
病気や事故、その他の理由で亡くなる方より、圧倒的に自殺して亡くなる割合が高いのです。
とてもショッキングな事実です。
このブログを読んで下さっている方は、自殺を考えている本人でしょうか、それとも周りの方でしょうか。
前置きが長くなってしまいましたが、どちらにせよ、それぞれの立場で、自殺を止める方法を考えていければと思います。
自殺の止め方とは
周りの誰かが自殺をほのめかしたら、どうやって話を聞いて、その自殺を止めればいいのでしょうか。
その人が大事な人であればあるほど、深刻に悩むことでしょう。
そして、当事者はそれ以上に深刻に悩んでいることでしょう。
まず自殺に至るまでには、段々と精神をすり減らして、そして衝動的に自殺に至るというパターンがあると思います。
段々と精神をすり減らされて自殺を考えている場合は、自殺の手段を考えたり、どこで死ぬか考えたりして、計画性があります。
きちんと部屋を整理して、遺書を残して、というケースが多いのではないでしょうか。
そして、衝動的に自殺をする時は、飛び降りたり、飛び込んだり、その場でできることで自殺を図ろうとしたりします。
しかし、どのような場合にせよ、多くのケースで、自殺する前には何かしらのサインがあることが考えられます。
ですので、このPCOPでは、そうした警告サインをまずは考えることから始まります。
そして、そのサインにどう対処できるのか、どう乗り越えるのかを事前に考えておくのです。
- 警告サインを知る
- サインに対処する
この2点を自分で考えたり、周りの人と一緒に考えたりすることで、自殺を止める手助けができます。
一番は、危機状況におけるセルフマネジメント能力を高めることが大切ですので、そこに重点が置かれています。
次に、PCOPについては、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
自殺防止のための心理的危機対応プランPCOPとは
PCOPとは、日本語では心理的危機対応プランと訳されており、英語のPsychological Crisis Coping Plan の頭文字を取ったものになります。
このPCOPのリーフレットは、米国軍人を対象として開発されたものを日本語に訳したものです。
リーフレットにも書いてありますが、このPCOPを実施してみて、実際に自殺企図が減ったと報告されています。
余談ですが、監修は認知行動療法で有名な伊藤先生や、依存症の治療で有名な松本先生がされており、私が言うのもなんですが、信頼できるものであると思いました。
伊藤先生のオフィス https://www.stress-coping.com/
さて、要約すれば大事な点は先の2点ですが、リーフレットには3つのSTEPに分けられて載っています。
- STEP1 道具を用意しましょう
- STEP2 5つの項目を記入しましょう
- A 警告サイン
- B セルフマネジメントの方法
- C 生きる理由
- D サポーター
- E 緊急連絡先
- STEP3 どれか1つを試してみましょう
以上のステップに分けられています。
各項目の紹介は細かくなってしまうので、下にある実際のリーフレットを見てもらいたいのですが、非常に容易に取り組める内容となっています。
私も一通り作ってみましたが、30分もかかりませんでした。
結局、簡単に紹介できなかったので、皆さんも、ぜひ実際に読んでみて下さい。
死ぬほど辛い、という想いをしている方に届けば幸いです。
辛いその時を何とか乗り越えて、少しでも今の辛さが和らいで、違う世界を感じられるようになることを祈っています。
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